北広島町 郷田様(4年目)

築100年超の実家で
自然に囲まれた週末を過ごす
 小鳥がさえずる、緑に包まれた静かな山合いで、週末のひとときを楽しむ郷田様ご夫婦。築100年を超えるご主人の生家をリノベーションした住まいだ。家のすぐ横の畑で育てた採れたての野菜を2人で料理して、ゆったり過ごす。
 ご夫婦は子育てをしながら長年広島市内のマンションで暮らしていたが、子どもたち家族総勢11人が集まるには手狭なのが悩みの種だった。そこで2年ほど空き家になっていたご主人の生家を、皆が集まってゆったり過ごせる家にしようとリノベーションを思い立った。
 ご夫婦の要望は「暖かく、明るく、皆が集まれる家」。雪深い地域なので冬の寒さ対策は重要だ。建物は昔の造りのため寒くて暗く、部屋が細かく仕切られていたため、吹き抜けのある広いLDKに間取りを変え、2階部分は壁を設けずロフトに。断熱材を壁と床にふんだんに入れ、窓はサッシごと取り替えてペアガラスにした。担当者の提案で設えた薪ストーブが効率よく室内を暖め、暖気が上部に上がるのでロフトも朝まで暖かい。冬にはエアコンをつけないことも多いという。玄関やリビングに元の家にあった趣のある建具をリメイクして、懐かしさと新しさを併せ持つ内装になった。
 夏と冬の休暇には子どもたち家族が集まる。夏は孫たちと川遊びをし、庭でバーベキュー。冬は広々としたLDKで皆と鍋を囲む。都会ではできない、時間に追われずゆったりとした暮らしだ。「将来退職したら、ここで畑仕事をしながら悠々自適の暮らしもいいなと思っています」と、ここでの生活を楽しむご夫婦が笑顔で話してくれた。
天井を抜いて吹き抜けにし、「虹梁」と呼ばれる太い梁を生かしたLDK。正面の欄間は元の家の書院にあったもの。テレビ台はご主人のお母様の婚礼ダンスをリメイク。
元の家の書院窓の建具を壁にはめ込み、押し入れの引き戸を収納扉に活用。家紋を染め抜いた衝立はご主人のお母様から受け継いだ。
リノベーションで出た廃材を薪ストーブに活用。ご主人が斧で割って薪小屋に保管する。
炎の音や香りが心を落ち着かせる薪ストーブ。おでん鍋を置いて煮込んだりしている。
[郷田様]
「祖父が建て、家族の歴史が刻まれたこの家を、将来も住み継いでいきたい。耐震性なども考えられたリノベーションで、この先も安心して住んでいけます」と語る郷田様。