三政電工 三分一 孝博さん

美しい配線がお客様の安全につながる
電気工事は作品づくりのように奥が深い仕事
 工事現場で電気の配線を行ったり照明器具を取り付ける仕事を手掛けて26年。高校卒業後に電気工事の会社に就職し、現場で18年間経験を重ねた後に独立。結線作業は、1本間違えればショートし、火災を招く危険性もはらむが、三分一さんはこの仕事の奥深さに魅了されている。「突発的な故障や自分が関わっていない現場での急なお願いでも、その原因を探り原因を突き止めて直したとき、お客様に喜ばれることがこの仕事でやりがいを感じる瞬間です」と三分一さん。そのためには経験が大切で、豊かな知恵を持つ年配の同業者と一緒に仕事をするときは大いに勉強になるという。
 「電気工事は作品づくりと同じ」というのが三分一さんのモットー。家が完成すれば、配線は天井裏や壁の内側に隠れて見えなくなるが、それでも美しい配線を心掛けている。「点検などで目に触れたとき、いい仕事をしているなと思われればうれしいし、美しい配線は故障やトラブルを防いで安全性を維持することにつながるから」と三分一さん。古民家リフォームでは柱や梁に沿って見える形で配線することもあり、三分一さんの美しい配線が本領発揮。こうした丁寧な仕事ぶりは、お施主様からも支持され、次から指名を受けることも。「リピートしていただけるような仕事をこれからも続けていきたいですね」。
約5kgもある“腰道具”。雲柱に登って行う仕事もあり、出し入れしやすいように道具を収める場所を決めている。