リノベで叶える自分らしい暮らし

魅せる土間で
趣味を楽しむ
築85年の家を
二世帯住宅へ
【三次市 K様邸】
 寒さが厳しい広島の県北で、数世代にわたり家の改装を重ねてきたK様邸。築90年近いという家は奥様のご実家で、ご夫婦と1歳の息子さん、奥様のご両親が暮らす二世帯住宅へと新しくリノベーション。三世代がつながる住まいに生まれ変わった。
 最初は敷地内でログハウスのような家を建てたいと思っていたご夫婦。ところが農地の転用制限や予算の問題で断念していた。「家づくりに接して自分たちの無知に気が付きました」とご主人は笑う。リノベーションという選択肢も考え始めていたころ、出掛けた先の東広島で、ちょっと行ってみようと立ち寄ったのがマエダハウジングだった。「そこで出会ったのが近藤さんと、私の希望を基にすばらしいイメージ図を描いてくれた角島さん。もうハートをつかまれました」とご主人。お父様は「家には地域と暮らしていた人の思いや哲学がある。それを汲み取ってくれたプランナーの沖野さんだから、あとはお任せという気持ちになれました」と振り返る。
 広い玄関と土間の勝手口を希望したお父様。趣味の自転車を置くスペースが欲しかったご主人。元気に家事をこなすお母様が使いやすい水回りを望んだ奥様。二世帯の思いを結び、緩やかな距離感を共有する住まいへと大変身。これからの幸せをつなぐ家に、笑顔が通い合う。
 キッチンは、壁付きからリビングダイニングと向き合う対面式に変更した。お母様は以前の壁付きキッチンに不満は少なく、窓から眺める風景もお気に入りだったという。それでも以前より開放的な空間になり、お孫さんの様子を見ながら家事ができるとうれしそうだ。
 ご両親は農作業もしているため、リノベーションで新しくなった玄関ではなく、ダイニングキッチンにつながる土間の勝手口を利用している。汚れたままで入れる土間に満足の様子だ。また、キッチンとつながる動線に浴室と洗面室を配置。もともとは浴室が突き出すような場所にあり寒く、洗面室も居室を挟むような位置で、これからの暮らしには不便と判断し、配置から変更した。 
 家族が増えていく住まいには構造の強化も不可欠。今回のリノベーションで土台から耐震補強、断熱工事、シロアリの除去と防蟻対策も施した。強さと優しさを備えた家は、家族が育む愛情の象徴だ。
Living Dining
壁やドアを取り払い、土間や納戸の空間を取り込んで、二世帯が集うゆったりとしたリビングダイニングが誕生。床は突板のフローリング、天井はアカシアの無垢材を採用。
リビングダイニングと接する土間は構造柱、腰壁で仕切り、筋交いもインテリアのように見せる設計。土間とリビングの間に設けたロールスクリーンは、冷暖房の効果を高める役割も。
Before
After
玄関・洗面室・浴室があった場所は、自転車が置ける土間へリノベーション。趣味の自転車やサイクル用具を置く。金具が付いた自転車用の靴で出入りでき、家へ持ち込みたくない汚れた道具も保管できて便利。
Before
After
Dining & Kitchen
家族の顔を見ながら
家事にも専念できる
対面キッチン
木の質感を伝えるフローリング、落ち着いた色味の壁と天井で以前よりも明るさが増した。隠れていた天井裏の梁も、職人が磨き直してよみがえらせ見せる梁に。キッチンは対面式に変更したが、手元を隠す壁と構造柱を配することでキッチン内が見えない設計に。
キッチンには二世帯分の冷蔵庫置き場を確保。パントリーを設けて作業しやすいプランに。
場所を変えて新設した土間の勝手口は、ご両親の玄関として大活躍。引き戸を開けるとダイニングへとつながる。
前は洗面室と浴室が離れていたが、場所を変えて並べて配置。広さも増し、使い勝手も良くなった。
Before
After
広いトイレは内装を変更。手すりも付けて将来の介護にも対応できる空間に。壁1面のみ無垢材を張ってアクセントに。
Before
After
和室1室と洋室のあった場所を取り込み、広くなったメインの玄関。明るい天窓は以前の洋室にあったものを残して活用。
Before
After
別棟とつながる母屋は、既存の屋根を残した。玄関まわりの新しい壁は黒の塗装を施し、印象を引き締める。和室のあった場所をなくして誕生した玄関が、佇まいに風格を添えている。
玄関の両端を支えるのはヒノキ。既存壁は白、新しい壁は黒でメリハリをつけた。
柱の切り込み箇所が違和感のないよう足元をデザインした。
Before
After
Before
After