実家二世帯という選択

息子たちの個室と
両親用に増築
思い出は残しつつ
今の家族に合った家に
【東広島市 S様邸】
 生まれ育った実家に二世帯で暮らしていたS様。しかし、下のお子さんに部屋がなかったため、今の家族の形に合わせてリノベーションすることにした。1階は増築して両親の寝室に。2階は和室を洋室に変え寝室にし、収納を使いやすいように改修した。「私たちはそれぞれの部屋を造ることだけを考えていたのですが、プランナーさんが壁付けだったキッチンの場所を移動して、対面型に変更する提案をしてくれました。これが使いやすくてびっくり! お任せして良かったです」とS様。もともとキッチンがあった場所にはテレビ台を造作し、両側にクローゼットを配置してすっきりとまとめた。「長年住んだ家なのに、全く違う使い方ができるなんて。計算された無駄のない造りに感動しました」とお母様も満足そうにうなずく。
 和室の地窓はそのまま生かすなど、かつての家の面影も残している。キッチン正面の柱は構造的に外せないため残しているが、「娘が小さい頃、いつもこの柱のまわりをグルグル回っていたんですよ」と思い出を懐かしむ場所となった。さらに、断熱材を張り替え2重窓にしたことで快適な空間も手に入れている。
 もう1つ、S様が気になっていたのは、リビングに食器棚などの家具が並び、部屋が狭くなっていたこと。そこで、使い勝手の良い収納を要望。もともと1階には和室の押し入れ1つしか収納がなかったが、2つのクローゼットの他、キッチンの地窓上部の収納とパントリーを新設。増築した両親の寝室には布団を収納できるクローゼットを用意した。キッチンのリビング側の収納には食器類をしまっている。造作の収納を増やし、大型家具を全て処分することで、部屋が見違えるほど広くなった。「居心地が良くなり、食後に家族で過ごす時間が増えました」とS様。
 1階をシンプルにまとめた分、2階の寝室は襖にS様の好きな柄を取り入れてアクセントに。今までS様と同室だった下のお子さんは、自分の部屋ができて大満足だ。さらに、お子さんに視覚障害があることを配慮して段差を減らし、自室や廊下などの照明に調光機能を付けたことで「すごくラクになった」と喜んでいるという。
 住み慣れた環境は保ちつつ、家族それぞれが心地良く暮らせるすっきりと片付いたわが家で、家族の豊かな時間が紡がれていく。
KITCHEN
和室にあった地窓を残して光を取り入れながら上部に収納を設けた。収納の隣はロールスクリーンを下ろした状態のパントリー。
Before
After
キッチンの位置を移してペニンシュラ型にし、造作で収納を増やして使う場所の近くに収納するスタイルに。大型家具を処分したことで部屋を広く使えるようになっただけでなく、常にすっきり片付いた空間に。
リビングの横に増築した両親の寝室。布団を奥のクローゼットに収納することで、S様が横になって休むときなど、家族の和室としても使っている。
キッチンがあった場所にはテレビ台を造作し、両側にリビング収納を配置。木のカーテンレールを取り付けて観葉植物を飾り、ナチュラルな雰囲気にまとめている。
Before
After
BED ROOM
寝室はより自分らしく柄入りの襖にリメイク
S様の寝室は間取りを変えずに和室から洋室に変更。押し入れは残し、襖に柄入りのクロスを張った。
高い位置にあり、奥行きがありすぎて使いにくかった寝室の収納には、多機能な造作カウンターを設置。収納を利用する際の踏み台や、本棚・デスクとして利用。
広々としたペニンシュラ型のキッチンを選択したことで「料理がしやすくなった」とお母様。
ストック品や調理家電を収納するパントリー。
洗面室にはアイアンの物干しを設置。
Before
After
浴室も手すり付きの使いやすいものに一新。
Before
After
スリット付きの玄関扉と収納で、ホールは明るく整理された空間に
たっぷりと入る玄関収納を設置。手すりを天井まで伸ばすことで見た目をすっきりさせている。「古い部分も少しは残したい」と、2階への階段は既存のものを生かした。
通風機能付き玄関ドアは施錠したまま換気ができる。
階段下に上着類を掛けられるスペースを用意。オープンにしたことで詰め込み過ぎずきれいに保てるとS様。
Before
After
写真正面が増築部分。外壁はリフォーム済みだったため、既存の色に合わせて塗装した。庭から光が入るため、想像以上に明るく心地良い和室に。
Before
After
Before
After